1 公共用地の取得と補償
(1) 公共用地の任意買収と損失補償制度

公共事業のために土地等が必要となった場合通常は当事者間の任意の売買で必要な財産が取得できればよいのですが、どうしても相手方の同意が得られないときは、損失補償をすることを条件に土地等を強制的に取得することができる制度があります。これを土地収用・損失補償の制度といいます。
例えば、道路を整備する事業などでほとんどの用地が取得できたのに、一部の土地所有者が土地買収に応じないため、計画を断念しなければならなくなったとすれば、渋滞の緩和や歩行者の安全といった目的が達成されなくなってしまいます。そこで、日本国憲法は公共事業のために土地等を収用することを認めています。
しかし、このような場合道路の計画上の土地を所有して居住・営業をしている人たちは、自分の財産に損失を被ることになります。
そこで、法律は土地収用を認めることと同時にこういった方々の財産上の損失を補填するという利害調整の制度として損失補償制度を設けています。
これら土地の収用や損失補償の制度について、基本的な内容や手続きを定めているのが土地収用法なのです。

 
(2) 任意買収について

任意買収と土地収用はどのように違うのでしょうか。
任意買収とは、「公共用地を、当事者の合意に基づく民法上の売買(契約)の形式で取得すること」(今村成和『損失補償制度の研究』有斐閣・145ページ)といわれています。
つまり、任意買収は、起業者と地権者等が、平等・対等の立場に立って、双方が自由な意思で、公共事業用地の権利の移転等について民法上の契約(売買・請負等)の形で行われるものです。

これに対し、土地収用法に基づく土地収用は、土地収用法という公法法規の規定に基づく一方的な行政の処分として行われるのです。これは、土地区画整理事業や市街地再開発事業における換地処分や権利変換処分も同様です。
また、任意買収が承継取得であるのに対し、土地収用法等に基づく取得は原始取得であることも対比されます。
土地売買契約は、土地所有者が起業者に土地の所有権を移転すること、その対価を起業者が土地所有者に支払うことを約束する契約なので売買契約と解されている
また、建物等の移転補償契約は、建物所有者が建物等の移転を買収地外に移転することを約束し、起業者がその報酬の支払いを約束する契約なので請負契約と解されている。

 
(3) 損失補償とは(その1)

公共用地の取得に損失補償は、大きく「権利補償」と「通損補償」にわけられます。権利補償は、公共用地の取得に伴い土地所有権その他財産的価値を持つ権利が喪失することに対する補償をいい、土地収用法はその目的物として次の4つを認めています。
@ 土地
土地については、地下鉄やトンネルの建設のように地表や空間の利用を伴わなかったり、送電線の設置のように空間の使用のみが問題となったりする場合があります。
A 立木、土地に定着する物件
通常土地上の定着物は移転させることが原則であるため、移転補償がなされるのですが、公園とするために森林を土地と一緒に収用するような場合があります。
B 土石・砂れき
地中に埋まっている土石のみが必要となる場合には土石砂れきが収用の目的物となります。
C 土地にある権利
土地に設定されている地上権等の所有権以外の権利も収用の目的物になります。

 
(4) 損失補償とは(その2)

また、この権利補償は、その法律上の効果において「取得収用」「消滅収用」「拡張収用」の3つに分けることができます。
取得収用は、公共事業のために必要な権利を取得する場合であり、土地の収用、立木、建物等の収用、土石砂れきの収用がこれにあたります。
消滅収用は、公共事業のために不要な所有権以外の権利を消滅させるもので、地上権等の収用がこれにあたります。起業者が所有する土地の上に所有権以外の権利があり、それが事業の施行に支障となる場合に、起業者のためにその権利を消滅させるのです。ただ、従前の権利者の有する権利を消滅させるという点では取得収用と実質的な効果は同じなので、土地収用法では、取得収用と同一の手続で行われることとされています。
拡張収用は、被収用者の利益のために、事業に必要な限度をこえて土地等を収用することをいいます。残地収用などがこれにあたります。

 
(5) 損失補償とは(その3)

権利補償に対して通損補償とは、土地の取得に伴って被収用者に生じる付随的な損失に対する補償を「通常受ける損失の補償」として補償要綱等にとりあげられているものをいいます。

通損補償は、収用する土地等の対価以外に通常受ける損失の補償すべてを含みます。土地収用法の規定の他、補償要綱や補償基準では、建物移転補償、農業補償、営業補償、家賃減収補償、動産移転移転料補償、仮住居補償、借家人補償、移転雑費補償、改葬の補償、祭祀料補償などが定められています。

 
2 損失補償制度について
(1) 損失補償の原則

損失補償はその支払い方法等についていくつかの原則があります。
@ 個別主義
土地・建物等が一つで、その権利者が一人なら起業者は、その権利者に損失補償をすればよいのですが、一つの土地や建物等に複数人の権利者が存在し、またその権利関係が錯綜している場合は、誰にどのように補償を行うべきかということが問題になりますが、この場合補償のルールとしては、「損失の補償は各人別にするものとする」という「個別主義」をとっています。
補償基準が「個別主義」をとる理由としてはいくつかありますが、実質的には土地所有者に一括して支払ってしまった場合、他の各権利者が必ずしも受領できるという保証がないということが一番大きいのではないかと考えられます。
───代位主義(個別主義の例外)───
個別主義の一方で、各人別に補償金を見積もることが困難であるときは、例外的に一括で支払うことになります。これを代位主義といいます。
すなわち、代位主義とは、「権利が錯綜する土地を取得するにあたって、所有権以外の権利を個別に取り上げず、これらの権利の存しない所有権単独の価格を算定して、土地所有者に一括して補償金を支払い、各権利者は、そのなかから各権利に見合う補償金を受け取る方法」といわれています。
この代位主義がとられる場合の例としては、抵当権等の担保物権の目的物が買収されるときに当該担保権の消滅を土地所有者に任せるような場合などがあります。

 

A 金銭補償主義
損失補償は、原則として金銭を支払うことによって行う「金銭補償主義」をとっています。
損失を補う方法として最も合理的と考えられるからです。従って地権者等の被る損失は原則として金銭に換算され、金銭で支払われることになります。
───現物補償主義(金銭補償主義の例外)───
しかし、補償基準は土地等の権利者が金銭に代えて土地又は建物の提供、耕地又は宅地の造成その他金銭以外の方法による給付を要求した場合でやむを得ないと認められるときはこれら現物の給付を行うよう努力するものとするとして、金銭補償主義のに対して現物補償主義の例外も定めています。


3 土地の補償
(1) 土地の補償金について

公共事業に必要な土地を買収する場合の土地の補償金の算定は、@正常な取引価格によること、A更地価格によること、Bその事業を行った結果、地価が下がった場合には、地価の低下前の価格によること、C所有権以外の権利の目的となっている土地については、その権利の価格を控除した価格によることになっています。

 

(2) 土地価格の評価方法

公共事業では、たくさんの土地を同じ時期に買収する必要が多いので、この正常な取引価格を求めるための評価方法としては、大量評価に適した標準地比準評価法(または路線価式評価法)が一般に採用されています。そしてこの評価方法では、評価対象地の属する地域において、用途、面積、形状などが標準的な土地を標準地として選定し、この標準地の価格と比較して評価対象である各々の土地の価格が求められます。

 

(3) 土地の補償金の算定基準時

土地の補償金の算定時点(算定基準時)のとり方は、任意買収の場合と土地収用の場合とで異なります。
任意買収の方法により公共用地が取得されるときの土地の補償金額は、補償契約の締結時の価格によって算定することになっています。
一方土地収用法が定める手続きに基づいて土地が収用される場合には、土地の補償金の算定基準時は、事業認定の告示の時の価格によるのが原則とされています。
土地収用法71条は、収用する土地の補償金の額は、「近傍類地の取引価格等を考慮して算定した事業の認定の告示の時における相当な価格に、権利取得裁決の時までの物価の変動に応ずる修正率を乗じて得た額とする」と定めています。
事業認定は土地価格を固定する法的効果をもちますので、あまり長期に価格が固定された状態を続けることは権利者に必要以上の負担を課すことにもなりかねません。そこで、事業認定の告示のあった日から1年以内に収用の裁決申請をしなければ、事業認定は失効することになっています。

 
(4) 借地権等に対する補償

土地について、所有権以外の権利で補償されるのは、主には地上権、賃借権です。
これら価格は、譲渡性のあるものについては、近傍類地の同種の権利の正常な取引価格を基準として決められますが、譲渡性のない権利は、権利が設定されているときとされていないときの差額で求められます。

 
(5) 残地補償

公共用地の取得において、一団の土地の一部を取得する場合に取得の対象とならない部分を「残地」といいます。これまで利用していた土地が公共事業などでその一部を失ってしまうと、これまでの機能が失われ、土地の経済価値を低下させることがあります。このような場合、残地について利用価値の減少が生じると見込まれるときは、その損失について補償されることになっています。

 
(6) 起業利益と補償の相殺禁止

残地については、上述のとおり利用価値の減少が生じるばかりでなく、事業が行われた結果、生活環境がよくなり残地の財産価値が上昇することもあります。このような場合土地収用法は損失と利益との相殺を禁止しています。相殺を認めると被収用者と起業地周辺地で起業利益を受ける人との間に、不均衡が生じるからです。

 


(7) 残地取得の補償

残地は原則として買取の対象にならないのですが、土地所有者にとって、残地を従来利用していた目的に供することが著しく困難となるときは土地所有者は、その全部の収用を請求できる旨が土地収用法に定められています。この残地の収用の請求は、収用裁決の申請後、土地所有者から収用委員会に対して残地についても収用してほしい旨の意見書を提出することにより行います。
なお、任意買収の場合でも現補償基準では残地取得が認められています。

 

4 建物の補償
(1) 建物の移転補償

公共事業のために必要とされるのは普通土地であって建物は必要とされません。したがって、買収を前提とする土地に対し、建物は起業地の外に移転してもらうことを前提として補償されます。

 

(2) 建物の移転先は?

補償費を算出するにあたって、建物をどこに移転するかということが問題になります。
この場合、補償基準では、「通常妥当と認められる移転先」とされており、残地に同一所有者の土地が十分にあり、建物の構造、規模、利用形態からして、その土地に移転させることが最も妥当だと考えられる場合は、その土地に移転することを前提として補償費が算出されます。しかし、そのような土地がない場合は、買収土地に代わる土地を取得し、その場所への移転を前提とすることになります。この場合、移転先としては一定の距離内で現在と同条件の土地に移転するものとします。

 
(3) 移転困難な建物は?

移転してもらうことを前提とする建物でもコンクリート造の建物などのように移転することが困難な建物等について、所有者から買取の請求があった場合は、起業者は現在の価値で取得することになっています。
しかし、実際はこういった請求はほとんどなく、新設する費用などを補償しているのが一般的です。

  
(4) 建物以外の工作物の移転補償

一般的な一戸建てをイメージした場合、建物以外の工作物としては、門柱、門扉、コンクリートブロック塀、庭石、敷石、野外のコンクリート叩きなどがあります。また、建物に付帯するする設備として給水、排水設備、ガス設備等が工作物として補償されます。
移転方法は、建物と同じように移転先に容易に移転できるものについては、その移転料が補償されますが、移転するものが困難なものについては、再築する費用や移転先において現在の機能を確保するために必要な費用としての新設費に現在の設備を解体・撤去する費用を加算した額が補償されます。

 
5 その他の通損補償
(1) 立木の補償

立木の補償としては、用材林については通常伐採の前提での補償となりますが、鑑賞樹や収穫樹については、伐採・移植のいずれか相当と認められる方法が採用されます。

  
(2) 仮住居補償

建物について残地を移転先とする場合には、現在の建物を取壊したうえで、新しく残地に建物を建てることになるので、工事期間中は仮住居が必要になります。
仮住居は、原則として現在と同程度の建物を借りるのに要する費用(家賃)が補償されます。
仮住居の補償期間は、一般の住宅程度では、6ヶ月程度とされています。また補償期間に対応する家賃だけでなく、敷金、保証金などの一時金も補償されます。

  
(3) 借家人補償

借家人がいる建物を移転する場合、普通は借家人も建物の移転先に移転すると考えてよいのですが、建物の賃貸借関係が縁戚等特別な関係にない場合は、移転先で借家人が継続して賃借することが困難な場合があると思われます。このような場合、借家人にも移転後に現在と同程度の建物を賃借するための費用が補償されます。
借家人補償は、借家権消滅の対価ではなく、あくまでも借家人が新たに建物を賃借するのに支出する費用相当額を補償するものであり、その内容は、権利金、敷金、保証金等の一時金と移転対象となる建物の地域での相場家賃と現行の家賃に差額が生じる場合は、その差額相当が一定期間補償されることになります。
補償期間は2年から4年の範囲内とされ、特別な事情が認められれば一年の範囲内で期間延長ができることになっています。

  
(4) 家賃減収補償

 建物を移転するとき、建物を使用している状態では移転できない改造工法等の移転工法がとられるときは、現在入居している借家人をまず転居させ空き家にしたうえで、移転工事を行うことになるため、移転工事期間中、建物所有者は家賃収入を得ることができなくなってしまいます。その間の家賃相当額を補償するのが家賃減収補償です。
家賃減収補償額は家賃収入から管理費及び主膳費相当額を控除した額となります。工事期間中は建物を管理する必要も従前する必要もなくなるので、純収益相当を補償すれば足りるからです。
補償期間は、空室分に対応する家賃相当額を考慮して移転工事期間中に前後一ヶ月程度を加えた月数となります。

 
(5) 動産移転補償

 

動産移転補償とは住居や工場、店舗を移転する場合の家財道具、什器備品、店頭の商品などの引越しに必要な費用の補償をいいます。
動産移転補償は、屋内動産と一般動産に区分して算定されます。
屋内動産の移転料は、通常その地域における標準的な家族構成員と居住する家の広さを基準に設定されたトラックの必要台数により算定されます。
一般動産移転料は、ピアノ、金庫、木材、鉄材等各々の品目の形状、寸法容量、重量を調査し、動産全体の容積を確定しトラックの必要台数を算出し、標準的な一般貨物自動車の運送料金により算定されます。
ピアノなどの特殊な動産は、専門運送業者に運搬を依頼する必要があったり、移転後に調律が必要になったりしますので、その費用も補償されます。

 


(6) 移転雑費補償

移転雑費は移転に伴い生じる諸々の費用として大きく次の四項目について補償されます。

@ 移転先の選定に要する費用

 

不動産業者に支払う仲介手数料などが該当します。

A 法令上の手続きに必要な費用

 

土地・建物についての登記手数料、登録免許税、建築確認申請手数料、住民登録、建物の滅失登記手数料、営業を行なっている場合に必要な営業許可等の申請手数料、商業登記に必要な費用など。

 

B 転居通知、移転旅費

 

営業を行なっている者が移転後に新たな場所で営業を再開するための宣伝広告費、移転するために必要な力、転居に伴う挨拶状などの費用が補償されます。

 

C 就業できないことによる損失

移転をするにあたって仕事を休むことが予想されますので、それらの休業に対して休業手当相当が補償されます。

 


6 営業補償

営業用建物を移転することにより営業を継続できなくなった場合に、営業に関する損失を補填するのが営業補償です。
営業補償には「営業廃止補償」「営業休止補償」「営業規模縮小の補償」の三種類があります。

 


(1) 営業廃止補償 

営業廃止補償は、営業用の建物を移転することにより営業を継続することができなくなると認められる次のような場合の損失に対する補償です。
法令に基づく許可条件のために営業場所が限定される場合
「のれん」を有する営業で、移転により「のれん」が通用しなくなる場合
物理的、社会的条件により業種が限定される場合
営業廃止補償は、営業の権利等の対価、資本に関する損失の補償、従業員の労働に対する損失の補償、従業員の労働に対する損失の補償及び事業主の転業期間中の収益源の補償などがその内容です。
営業廃止補償は限定された業種についてのみ適用されるので、事例としてはほとんどありません。

 
(2) 営業休止補償

 

営業休止補償は、営業用建物を移転させることにより、一定期間営業を休止せざるを得ない場合の損失の補償と、営業を休止させないで仮営業所を設置して営業を継続させる場合の補償です。通常は、場所が異なっても営業を継続できる場合が多いので、営業上生ずる損失の補償として典型的な補償が、この影響休止補償です。
一定期間営業を休止する場合の補償としては、休業期間中の必要な固定的経費、従業員の休業手当、休業期間中の収益減、休業に伴う顧客減、店舗の移転の際の商品の減損、広告費その他の費用が補償されます。
なお、仮営業所を設置する適当な場所があり、営業休止補償によるよりも経済的と認められるときには、営業休止補償ではなく仮営業所補償が行われます。

 


(3) 営業規模縮小の補償

営業規模縮小の補償は、営業用建物の一部が支障となり、当該部分の営業の規模を縮小しなければならないと認められた場合の損失補償です。
営業規模縮小補償は、営業規模縮小に伴い不要となる固定資産の売却損、解雇することになる従業員の解雇予告手当などの資本や労働の過剰遊休化による損失の補償、及び経営効率が低下する場合の損失の補償があります。

  
7 補償にかかる税金等
(1) 補償金に対する所得税の取り扱い

公共事業のために、土地などの資産を買収され、または収用されて受け取る補償金のうち、対価補償金に区分される補償金は譲渡所得として課税の対象になります。
土地や建物の譲渡所得は、他の所得(給与所得、不動産所得、事業所得等)とは分離して課税することとされており、譲渡までの所有期間により次のとおり区分されます。
@長期譲渡所得―所有期間が5年を超えるものの譲渡
A短期譲渡所得―所有期間が5年以下のもの
収用等による譲渡所得については、一般の譲渡所得の場合とはことなり次の2つの課税の特例が認められており、いずれかを選択することができます。

 

 

@代替資産の特例

取得した対価補償金で代替資産を取得したときは、収用等された資産の譲渡がないこととされて課税が生じません。
しかし、将来代替資産が譲渡されたときに代替資産の譲渡所得の計算においてその取得費が収用された資産の取得費とされ、そこで譲渡利益が実現されることになります。将来代替資産を譲渡するときまで課税を繰り延べるということです。
なお、代替資産の取得価額が対価補償金の額に満たない場合には、その差額に相当する部分は資産の譲渡があったものとして課税されることになります。

 

A5000万円の特別控除

収用等により資産を譲渡して対価補償金を取得した場合で、その年中の収用等により譲渡したすべてについて、代替資産の特例の適用を受けないときはその譲渡所得から5000万円を控除することが認められます。

対価補償金以外の補償金は次のように区分されて各種所得に分類されて課税されることになります。
イ.収益補償金

営業について減収することとなる収益に充てるものとして交付を受ける補償金で、営業休止補償で補償される収益減の補償や家賃減収補償などがこれにあたります。
従前の申告所得に応じて、事業所得、不動産所得等として課税されます。なお、税引き前営業収益(利益)喪失分の補填として補償するものですので、原則として、課税されることを前提として補償されるものです。

 
ロ.経費補償金

休業等により生ずる営業上の費用の補填に充てるものとして交付を受ける補償金で、営業休止補償として、休業期間中に対応する固定的経費などがこれに該当します。実際に支出した固定的経費が補償額と同額以上であれば相殺され、課税は生じません。

 

ハ.移転補償金

 

資産の移転に要する費用の補填に充てるものとして、交付を受ける補償金です。
通常は実際に支出した費用を差し引いて、残額が生じた場合は一時所得として課税されることになります。
なお、建物の移転補償金、移設困難な機械装置の補償金は対価補償金として扱われますので、その場合は譲渡所得として上記代替資産の特例や5000万円特別控除の適用があります。(収用事業の場合のみです)

 

ニ.その他対価補償金として扱われるもの

上述の移転補償金と同様借家人補償も対価補償金として取り扱われます。また、収益補償金も対価補償金として取り扱うことができる場合があり、これらの場合はいずれも代替資産の特例や5000万円特別控除の適用があります。(収用事業の場合のみです)

正確にはこちらをご参照ください。⇒

 
(2) 補償金に対する消費税の課税と消費税相当額の補償について
@補償金に対する消費税の課税

公共事業(収用事業)のために課税対象物件である建物等を起業者が取得し、その対価として補償金を支払った場合、その行為は消費税課税対象取引となります。従って、被補償者が課税事業者である場合には、当該補償金のうち消費税相当額について被補償者に消費税の納税が生じることとなるため、通常はこの場合消費税額を加算して補償することになります。
しかし、移転補償金、経費補償金、収益補償金を支払う行為は消費税不課税(課税対象外)取引に該当しますので、被補償者はこれら補償金の受領について消費税の納税義務が生じることはありません。

 

 

A消費税相当額の補償について

移転補償金、経費補償金は被補償者が建物等の移転に伴い、第三者である課税事業者に対価を支払って役務の提供を受けることを前提として補償されるものであることから、被補償者が消費税を負担すべき最終消費者である場合は、当該移転補償金、経費補償金に消費税相当額を加算して補償することになります。
しかし、被補償者が消費税課税事業者である場合には、第三者である課税事業者への支払い額のうちの消費税相当額は仕入れ税額控除により転嫁してしまうことになるためこの場合は消費税相当額を補償しないこととなります。

 

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